HUB-IBARAKI ART PROJECT 2025|出張授業レポート

HUB-IBARAKI ART PROJECTでは、2025年度から地域とさらに広がりをもって交流していくことを目的に、新たに「地域連携プログラム」をスタートしました。その取り組みの一つとして、招へいアーティストによる学校への出張授業を実施しています。記念すべき第一回は、茨木市立彩都西中学校での実施となりました。

ワークショップ概要

2025年8月21日(木)、招へいアーティスト・尾角典子さん(@norikookaku)によるワークショップ「言葉のかけらでつくる新しい風景」を開催しました。対象は1〜3年生の美術部15名と先生1名で、校内の美術室を拠点に活動を行いました。

尾角さんの「いつも見ている風景って、みんな同じように見えているのかな?」という問いかけから始まった本ワークショップ。参加者は紙とペンを手に美術室を出発し、廊下や窓の外の風景を改めて観察しながら、印象に残ったものや感じたことを「言葉」として書き留めていきました。

後半には、尾角さんの制作手法のひとつでもある“コラージュ”を取り入れ、集めた「言葉」を切り取り、グループごとに自由に組み合わせて作品を制作しました。
「うるさい カーテン」
「空の ソーラーパネル」
「響く サッカーゴール」
など、ユニークで思わず笑みがこぼれる表現が多く生まれ、最後にはグループごとに作品を発表し合いました。

ワークショップの成果

同じ風景を見ても、そこから立ち上がる言葉やイメージは人それぞれ異なること。そこに個性や表現の広がりがあること。そして他者と協働することで、思いがけない作品へとつながること。今回のプログラムは、生徒の皆さんにそうした気づきを体感いただく機会となりました。

普段から授業内でグループワークを重ねている生徒たちでしたが、学年をまたいだ活動は最初こそ緊張がありました。それでもすぐに打ち解け、最後には和やかな雰囲気の中で制作を楽しむ姿が印象的でした。短い準備期間にもかかわらず丁寧にご協力くださった先生方にも、心より感謝申し上げます。

撮影:加藤菜々子