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【REPORT】「《教科書カフェ》の上演」開催レポート[7/30(土) at 清溪公民館、7/31(日) at 石河公民館]

武田力の作品《教科書カフェ》の上演を、7月30日(土)に茨木市泉原の清溪公民館にて、7月31日(日)に茨木市大岩の石河公民館にて、それぞれおこないました。
当日の活動レポートは、近畿大学文芸学部文化デザイン学科の授業「プロジェクト演習A-3」の一環として、現地活動に参加した学生により作成しました。

○ 7月30日(土)《教科書カフェ》at 清渓公民館
○ 7月31日(日)《教科書カフェ》at 石河公民館


【7月30日(土)《教科書カフェ》at 清溪公民館 活動レポート】

〈13時30分〉
13時からの開催であったが、最初のお客様が来られたのは13時半から。
はじめのお客様は、一人で来られた男性で道徳の教科書を黙々と読んでいた。

▲実施場所である清溪公民館の前に広がる風景

〈14時から15時〉
この時間からのお客様が一番多く、近隣住民のご夫婦や車で来られた男性など多くの人で賑わう時間帯であった。
ご夫婦で来られた方とは、特に小学校の時の国語の教科書について話をした。
内容や教科書自体の形、様式などの時代による変化について、実際に使用していた時代の教科書を手に取りながら意見をかわした。
特に私たちが使っていた平成20年代の国語の教科書について、近隣から一人で来られていた女性は「表紙が可愛らしい」という感想を頂いた。
教科書カフェで開架されている教科書はすべて実際に使われていたものであるため、教科書には様々な書き込みがされている。実際に使われていた時の名残を感じて、自分が教科書を使っていた時の雰囲気を思い出している方が多くいた。

▲16時頃の様子

〈15時から16時〉
地元の自転車屋さんの紹介で、5人のサイクリング途中の方々が来る。
サイクリングという共通の趣味を持っている5人は、年代が同じころの様子で、実際に使っていた時の当時を振り返りながら、カフェ内の教科書を片手に楽しんでいた。

▲教科書カフェ内で盛り上がっている様子

〈16時半〉
5人のお客様が帰られたため、教科書カフェの撤収が始まる。

▲撤収の様子

〈最後に〉
この日、《教科書カフェ》に参加してプレオープンの時とは違った客層の方々と意見を交換することができた。自分たちが使った教科書について様々な年代の人と話すことは、当時の教育の捉え方と違う発見を多く得られた機会になったように感じる。

原稿作成:稲田 昇生、先藤 ひなた、塚本 斗南、人見 百映、山田 奈智(近畿大学文芸学部文化デザイン学科2回生)


【7月31日(日)《教科書カフェ》at 石河公民館 活動レポート】

私たちが参加した日の開催場所が山手の方ということもあり、教科書カフェに来られてお話しした方は私たちの両親世代やそれ以上の方が多く、普段お話しする機会の少ない年代の方々とコミュニケーションを取ることができて、貴重な体験ができました。また、年代の違う教科書を比較したり、教科書について誰かと深く語り合ったりということも日常生活ではなかったので、そういった意味でも貴重な一日になったと思います。

教科書カフェとして巡回している軽トラックの中には多くの教科書があり、それらの教科書の年代に沿った出来事や歴史が添えられていて、その頃の自身のことを時代背景と共に思い出せるようになっていました。
置かれている教科書の中には実際に私たちが使っていた教科書と同じものがあり、今でも所々内容を覚えていたので、教科書の偉大さを感じました。私たちが使っていなかった教科書でも懐かしさを感じることができました。 また、教科書の違い=地域、年代の違いであるので、お互いの地域についてのことや過去についての話を交わすきっかけになりました。教科書の内容を読んで学ぶのではなく、教科書を俯瞰して、教科書そのものに考えを巡らせる時間になりました。

私たちが参加した日には、前日の開催場所であった清溪公民館の館長さんが、明治時代の教科書を持ってきてくださり、直接手に取って見ることができました。私たちにとっては歴史の教科書で見たような書物が目の前にあり不思議な感覚でした。
教科書を開くと、横書きは右から左に書かれていたり、現代では「お」と表記される部分が「ほ」で書かれていたりと、私たちにとってはどれも古典の教科書のように思えました。

教科書カフェという場を通して、自然と人と人との間で会話が生まれ、一時的にパブリックな空間が形作られていたように感じました。

原稿作成:菅 隼輔、松川 碧生(近畿大学文芸学部文化デザイン学科2回生)