2016

HUB-IBARAKI ART COMPETITION 2015

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HUB-IBARAKI ART COMPETITON 2015 開催概要

作家公募期間

2015年9月24日(木)~10月30日(金)

準備期間

2015年12月中旬~2016年2月中旬

展示期間

2016年2月15日(月)~8月15日(月)

作家

牛島 光太郎

作品

《茨木の話》、《言葉の眺め》

テーマ

まちと創造する未来文化都市
アートと人々の出会いの場、未来の文化都市をまちの人たちと創造

プロジェクト内容

作品発表、トークなど4種類のプログラムを実施

実行委員長

河上 友信(茨木芸術中心)

事務局

茨木市文化振興課

主催

茨木市若手芸術家育成事業「HUB-IBARAKI ART」実行委員会(茨木市・茨木芸術中心)

ごあいさつ

平成25年度よりはじまった茨木市若手芸術家育成事業『HUB-IBARAKI ART COMPETITION』は、未来を担う若手アーティストを発掘し、茨木のまちを発表の場として提供することで、地域の芸術文化の発展に貢献することを目的としたソーシャル・アートプロジェクトです。
本コンペティションは、「公共空間での展示」、「6か月間の長期展示」、「まちや人との交流を持てるような作品の選定」を条件として作品を選出し、アートを媒介とした人と人との対話が生まれることで、永続的な地域の活性化へ繋がるネットワークの中心「HUB」のような存在となることを目指します。
第3回を迎える今回も厳正な審査の結果、若手作家1組が選考されました。茨木の公共施設を利用したアート作品が、2016年2月15日(月)より茨木の施設にて展示されます。よりたくさんの人がアートに触れられるように連動企画イベントも開催いたします。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

選定作家

牛島 光太郎 [USHIJIMA Kohtaro]

1978年 福岡県生まれ
2003年 成安造形大学 彫刻クラス研究生 修了

2014年 「sceneのつくり方」Gallery PARC(個展・京都)
2014年 「イマジネーション・スーパーハイウェイ」 京都芸術センター(グループ展・京都)
2015年 「明日への坩堝」福岡アジア美術館(グループ展・福岡)
2016年 「里山を編む」九州大学ソーシャルアートラボ(アートプロジェクト・福岡)

作家オフィシャルサイト
http://www.ushijimakoutarou.com

牛島 光太郎 インタビュー

ー自己紹介をお願いします。
牛島光太郎です。1978年に福岡県で生まれました。
学生時代を含め、10年間、関西に住んでいました。ドイツや台湾やニューカレドニアなどでの滞在制作を終え、現在、福岡県を拠点にしています。道端に落ちているキーホルダーやボタンなどを拾い集めています。

ー今までの作品についてお聞かせください。
物語のつくり方に関心があり、作品中に「言葉」を取り入れています。これまで、主に『scene』、『意図的な偶然』、『何も起きない話』というタイトルの連作に取り組んできました。
『scene』は、物語を進める上でのルールを決め、その中で展開する作品です。『意図的な偶然』は、日常生活で私が実際に拾ったモノや、私にとって思い入れのあるモノと、文字を刺繍した布で構成する作品です。『何も起きない話』は、わざわざ記録して残すまでも無いような個人の歴史について考えながら、2年ほど前から取り組んでいます。いずれの作品も「言葉」は重要な要素なので、作中での「言葉の物質的なあり方」や「言葉とモノの関係」は、重要なものとなります。
これまで、割れたガラスの破片や衣類のシワ、植物や水など、様々な素材を使って文字をつくってきました。2006年からは文字を布に刺繍するようになりました。文字を布に刺繍する作業や完成された作品のあり方に惹かれ、現在も続けています。また、「言葉とモノの関係」を探る実験的な試みとして『組み合わせの方法』という作品にも2014年から取り組んでいます。

ー大阪府茨木市の第一印象は?
作品のリサーチのために、茨木市内を時間が許す限り、歩き回りました。交通の便が良く、心地よく住むことができそうな場所だと感じました。集合住宅が多く、その中を歩いていると似たような景色が続き、不思議な感覚になりました。夜になると街の中心部以外は、静かになるのが早く、多数の集合住宅の窓からカーテン越しに明かりが見え、その光景がとても印象的でした。「万博」や「サッポロビールの工場」など、ある世代の人にとって共通の思い出があるのも特徴的なことだと感じました。

ーHUB-IBARAKI ART COMPETITION + EXHIBITION にはどのような作品を出展する予定ですか?
2種類の作品を展示する予定です。メインの作品は、市民総合センターに設置する予定で、『茨木の話』というタイトルです。これは、茨木駅やその周辺の場所のリサーチを通して制作する作品です。もう1つの作品は、『言葉の眺め』というタイトルで、茨木市内の許可を
得ることができた店舗や施設の窓に設置する作品です。
展示期間が終わる8月15日までに、可能な限りどちらの作品も増やしていくことができればと考えています。

開催プログラム

作品発表
HUB-IBARAKI ART COMPETITION+EXHIBITION

日時|2016年2月15日(月)~8月15日(月)
会場|茨木市市民総合センター(クリエイトセンター)他12会場

◇ 牛島 光太郎《茨木の話》

会場|市民総合センター(クリエイトセンター)

私は、2008年から約7年間、『意図的な偶然』という連作を制作・発表しております。
この作品は、日常の生活の中、私が実際に拾ったモノや、私にとって思い入れのあるモノと、文字を刺繍した布で構成する作品です。それまで価値のなかったモノが、何かをきっかけに価値のあるモノに見える時があり、その事について作品制作を通して考えております。『茨木の話』は、茨木駅やその周辺の場所をモチーフにして、場所と深く関わりながら制作する作品です。

◇ 牛島光太郎《言葉の眺め》

会場|アジアの食堂ムバラケ、pain de joujou、ひろきや、GLAN FABRIQUE、tocotowa、男女共生センターローズWAM、アイラッシュサロンLIB、 Azureアートラボラトリー、カフェ小町 Co*machi、茨木市役所内郵便局、三遠野菜ルオータ、POLA THE BEAUTY阪急茨木店

茨木のお店や公共施設を牛島光太郎が巡り、それぞれのお店・施設の『言葉の眺め(文章)』を紡ぎだし、建物の壁面や窓に文章を残していった作品です。

関連イベント

牛島 光太郎 個展「みんなの話」

日時|3月17日(木)~ 4月5日(火)
会場|la galerie(GLAN FABRIQUE 1F)

作品完成発表会 & アートツアー

日時|3月26日(土)13:00〜17:00
会場|GLAN FABRIQUE

茨木音楽祭「茨木の話」出展

日時|5月5日(木・祝)
会場|茨木神社

作家選考について

◇ 作家公募概要

公募期間|2015年9月24日(木)~10月30日(金)

【応募資格】
・国内外を問わず、創作活動をしている作家。
・2015年4月1日現在、45歳以下であること。

【制作作品規格】
・素材、形態は問いませんが、設置場所での長期展示に耐えるもの
・展示する施設の用途、機能を損なわないもの
・展示する施設の用途、目的を理解し、その空間にふさわしい作品であること
・電源の使用は不可とします

【審査基準】
茨木という地域の魅力を一段と引き出せるようなコンセプトであるかという点に基いて審査を行います
1.美術作品、プロジェクトとしてのオリジナリティがあるか
2.地域や人々と関わることへの積極的な姿勢があるか
3.プランの計画性・実現可能性は充分か
4.公共施設という場・空間の特性を考慮した提案がなされているか
5.アーティストの今後の創作活動につながる将来性・発展性があるか
※公共の場での展示となるため、政治的/宗教的/性的/暴力的/営利的等の表現、法令、公序良俗に反する画像、文字等を使用した制作プランについては、審査の対象とならない場合があります。

【制作補助費】
100万円 1点

◇ 審査について

【作家公募 審査員】
木村光佑(版画・彫刻家/京都工芸繊維大学名誉教授・元学長/茨木美術協会会長)
雨森 信(大阪市立大学文学部 特任講師/Breaker Projectディレクター)
HUB-IBARAKI ART 実行委員会(茨木市・茨木芸術中心)

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審査講評

木村光佑 (版画・彫刻家、京都工芸繊維大学名誉教授、茨木美術協会会長)
最終審査に残った4点の作品は、それぞれに個性があり、すばらしかった。
受賞した“茨木の話”は、全てを表現せずに観る側に、想像の余地を残すことを意図としている。 想像が加わることで作品への関心と、その意味を深くするということだろう。
駅の広場を展示場に選んでいるが、そこにはいろいろと厳しい条件が存在する。安全を第一に考えていただきたい。
公共の駅という空間の中で、芸術がどんな可能性をもつかの追求に期待したい。 (設置場所は市民総合センターに変更になりました)

雨森 信 (大阪市立大学文学部 特任講師 Breaker Projectディレクター)
HUB-IBARAKIが重視していることのひとつに「地域の人々との関わり」ということがあります。
私自身は制作のプロセスや作品そのものに、場所や人との接点が内包されているかどうか、それが必然性のあるものかどうか、という点から審査にあたりました。
「関わり」というのは、その度合いや質もさまざまですが、リサーチを含む制作プロセスのなかで思いもかけずに生まれていくことが多々あります。
公募の条件として、作品の設置場所があらかじめ決められていることや、制作期間(リサーチ期間)が短いことは、応募されるアーティストのみなさんにとってはネックだったかもしれません。
選考された牛島光太郎さんのプランでは、場所と深く関わりながら制作するということが、作品やアーティスト自身にとって必然性があったこと、場所との関わりからさらに人へとつながっていくことを期待できたことが、選出理由となっています。