HUB-IBARAKI ART COMPETITON 2013
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HUB-IBARAKI ART COMPETITON 2013 開催概要
作家公募期間
2013年9月2日(月)~10月11日(金)
準備期間
2013年11月~2014年3月上旬
展示期間
2014年3月7日(金)~9月5日(金)
作家
中島麦、稲垣元則、小宮太郎、藤本絢子、山城優摩、N N.P.O、高木義隆
テーマ
アートと人の出会いの場、アートを介した交流の場の創造
プロジェクト内容
作品発表、トーク、関連展示など7種類のプログラムを実施
実行委員長
河上 友信(茨木芸術中心)
事務局
茨木市市民文化部文化スポーツ課
主催
茨木市若手芸術家育成事業「HUB-IBARAKI ART」実行委員会(茨木市・茨木芸術中心)
ごあいさつ
「HUB-IBARAKI ART」実行委員会は、芸術の街・茨木の明日を担う若手アーティストの発掘と発表の場を提供することにより、人と人との世代を超えた交流を促し、地域の芸術文化の発展に貢献し、コミュニティの豊かな暮らしに繋げるためのネットワークの中心、「HUB(ハブ)」のような存在となる事を目指し活動しています。従来型とは違う新しいかたちのアートコンペとして、昨年、茨木市若手芸術家育成事業『HUB-IBARAKI ART COMPETITION』の作品公募を実施しました。昨年選考されました作家たちの作品が2014年3月7日より茨木市の施設7か所にて展示されます。
よりたくさんの人がアートに触れられるように関連企画イベントも開催します。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
開催プログラム
作品発表
HUB-IBARAKI ART COMPETITION+EXHIBITION
日時|2014年3月7日(金)~9月5日(金)
会場|茨木市内7会場(生涯学習センターきらめき、中央図書館、市民体育館、男女共生センター ローズWAM、市民総合センター(クリエイトセンター)、市民会館(ユーアイホール)、茨木小学校)
◇ 中島 麦《BEYOND ~コチラとムコウ in 茨木~》
会場|生涯学習センターきらめき
見えているモノ・見ているモノを再発見する絵を描きます。当たり前に見ていること、いつも見ている風景にも、新しい気付きや発見があるものです。透明な窓ガラスに、ムコウ側の景色を描くことで、見ているモノとの距離感を縮めます。また会場の特性を生かし、制作過程を公開することで、少しずつ浮かび上がる風景の変化を、施設の利用者にも体感してもらいたいと考えております。
◇ 稲垣 元則《Pond》
会場|中央図書館
空を見上げた写真を、見下ろすように床に寝かせた作品を展示します。茨木の中で撮影された写真は、私自身の物語と個人的な土地への理解の中から生まれてきたように思います。しかし作品は、見る人たちそれぞれの記憶の池のようだったり、意識の鏡のようなものになればと思います。
◇ 小宮 太郎《volve》
会場|市民体育館
volve というタイトルには回転という意味があります。 この作品は文字通り時計が回転している作品です。 時計は普段通り動いているけれど、時計全体が反時計回りに回転することで、普段の時計の動きとは全く異なった見え方を提示します。 この時計は、普段一番早く動いているはずの秒針が静止して、 普段一番遅く動いているはずの時針が素早く動いて見えます。 市民体育館の休憩スペース前に設置された作品は、そこに集う 人々の静と動という二つのモーションを表しながら、普段通り生活の時を刻んでいきます。
◇ 藤本 絢子《ローズゲート》
会場|男女共生センター ローズWAM
人が集う空間の入口に大輪の薔薇を咲かせる。街中の日常の景色に鮮やかな彩りを添えたいと思った。通り過ぎる人の心が少しでも色付けばこの場所自体が大きな作品となる。
◇ 山城 優摩《desk work》
会場|市民総合センター(クリエイトセンター)
七台の事務机を使用した作品。会議や講演会など机を使用する機会の多い茨木市クリエイトセンターでの展示となります。机は仕事や学習などの社会活動を行う上で欠かせない道具であり、生活をおくる中で身近で親しみあるモチーフです。複数の机は集団を思わせ、その中で頂点に位置するオブジェは茨木市の象徴である薔薇のイメージを使い個の存在を示します。
◇ N N.P.O《いばらき風呂ンティア ~どこもかしこもホームです~》
会場|市民会館(ユーアイホール)
本作品は、茨木市市民会館を拠点に、ゼロから「ホーム」をつくるプロジェクトです。 ホームとは、出生地や故郷を超え、他者とのコミュニケーションの中で確立される「場」であるととらえ、富士山を描くアートプロジェクト「風呂ンティア」を基に、「フロンティア= 開拓地」として、「銭湯画+ だんじり風呂車」で構成される家を組立て、「ホーム」を展開します。他者とのコミュニケーションそのものが商品化され、「つながる幻想」の共有が繰り返されているいまだからこそ、顔と顔を合わせてみんなで「いい湯だな」と笑い合える「記憶」「記録」「家屋」に残る、「ホーム」の提案を目指します。
◇ 高木 義隆《「記憶の学校」IBARAKI》
会場|福祉文化会館(オークシアター)
学校は教育の場であると同時に、人の交わりの場でもあります。かつてこの場に毎日のように繰り広げられてきた人々の「コミュニケーション」の場を、その地域に暮らす人々の記憶から話を聞き、模型として再現します。そこには人々の様々な「記憶の一致」や「記憶の相違」がみられます。現在の我々の日常生活においても様々な形で認識の違い「ズレ」がみられ、その「ズレ」は日々生み出されています。今回のモデルは「茨木小学校」です。様々な「ズレ」を抱えながら過去を思い出したり、現在を見つめたり、また未来を考える場となればと思います。
関連イベント
PRE EXHIBITION
日時|2月20日(木)~25日(火)
会場|茨木市立ギャラリー(阪急茨木市駅ロサヴィア2F)
HUBッちゃおう!HUBスタンプラリーコンプリート!
日時|3月7日(金)~
作品完成発表会
日時|3月22日(土)12:00-15:00
会場|市民会館ドリームホール
ゲスト|
岡山 拓(美術ライター、トリ・スクール主宰)
木村 光佑(版画・彫刻家、京都工芸繊維大学名誉教授、茨木美術協会会長)
小吹 隆文(美術ライター)
ヤノベケンジ(現代美術作家、京都造形芸術大学ULTRAFACTORY ディレクター)
作家と巡るアートツアー
日時|3月23日(日)13:00-16:00
集合場所|茨木市立市民体育館玄関前
景色・描く・奏~茨木音風景~
日時|5月10日(土)14:00-16:00
会場|生涯学習センターきらめき きらめきホール
出演|中島麦(絵画・美術)、金崎亮太(電子音響音楽家)、三木祐子(作曲家・ピアニスト)
Woman Artist Meet
日時|7月16日(水)~19日(土)
会場|ローズWAM 1階エントランス
出展作家|口石みやこ、田村美紀、藤本絢子
作家選考について
◇ 作家公募概要
公募期間|2013年9月2日(月)~10月11日(金)
【応募資格】
・国内外を問わず、創作活動をしている作家。
・平成25年4月1日時点で45歳以下であること。
【制作作品規格】
・素材、形態は問いませんが、設置場所での長期展示に耐えるもの。
・展示する施設の用途、機能を損なわないもの。
・展示する施設の用途、目的を理解し、その空間にふさわしい作品であること。
【審査基準】
・単に美術作品として優れているかどうかではなく、茨木という地域の魅力を一段と引き出せるようなコンセプトであるか。
また、施設の用途・目的・機能を理解したその空間にふさわしい作品であるか。
(公共の場での展示となるため、政治的/ 宗教的/ 性的/ 暴力的/ 営利的等の表現、法令、公序良俗に反する画像、文字等を使用した
作品構想図については、審査の対象とならない場合があります。)
【制作補助費】
30万円 1点 / 20万円 3 点 / 10万円 4 点
◇ 審査について
【作家公募 審査員】
岡山拓(美術ライター、トリ・スクール主宰)
木村光佑(版画・彫刻家、京都工芸繊維大学名誉教授、茨木美術協会会長)
小吹隆文(美術ライター)
ヤノベケンジ(現代美術作家、京都造形芸術大学ULTRAFACTORYディレクター)
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審査講評
岡山拓(美術ライター・トリ・スクール主宰)
公共空間という難しい課題に対して果敢に挑む姿勢が見受けられました。初めての試みながら、茨木市の歴史や空間の特性を生かすという主旨を理解しての応募の多さには現代アートの担い手が育っている実感が持てました。ただプレゼンテーションが言葉不足になっていて意図や構想が伝わらないものもあります。これからプランを実現してゆくミッションは大変ですが、多くの市民を巻き込んで広がってゆくことを期待しています。
小吹隆文(美術ライター)
今回の審査を通じて感じたのは、応募プランの水準が押しなべて高かったことと、制作プロセスの公開など、市民とのつながりを求める表現が数多く見られたことだ。美術館や画廊などの専用スペースとは違い、公共施設での展示には制約が多い。その限界を逆手にとり、市民に開かれたプランを提示した応募者が多かったことを、心強く思う。審査は終わったが、正念場はこの後の制作段階である。アーティストと実行委員会の奮起を心から期待している。
木村光佑(版画・彫刻家、京都工芸繊維大学名誉教授、茨木美術協会会長)
新しいサムシングを求めて。作品を制作するということは、単に表現するだけでなく、見えない部分にも注意を払うことだと思う。むしろ、そのことにこそ、神経を使うべきだろう。作品の構想、展示された作品と市民との出会い、そこから生まれる交流をキーワードに私は審査した。このアートコンペが若手芸術家を育成し、発表された作品が街(施設)にとけ込み、新しいサムシンと結びつくことを、大いに期待している。
ヤノベケンジ(現代美術作家、京都造形芸術大学ULTRAFACTORYディレクター)
非常にクオリティーが高く、またバラエティに富んだ作品が集まったように思う。しかも展示場所の機能や歴史を読み取り、その場所にあった作品を提示したものも多かった。地域の人々を巻き込むプロジェクトもあり、現代アートが茨木の街に根付く先導になりそうだ。このプロジェクトが成功すればかつてない可能性を持つ芸術によってエネルギーを持つ都市が生まれるかもしれない。大いに期待できる第1回の審査会だった。”