HUB-IBARAKI ART PROJECT 2018-2019
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HUB-IBARAKI ART PROJECT 2018-2019 開催概要
プロジェクト実施
開催期間
2019年3月29日(金)~9月29日(日)
作家
冬木 遼太郎
作品
《突然の風景(Sudden View)》、《シンドローム》
テーマ
アートと茨木のひと・まちづくり-「公共/パブリック」を考察する、6か月間のアートプロジェクト
プロジェクト内容
作品制作・発表、トーク、ワークショップ、市民交流の取り組みなど、13種類のプログラムを実施
チーフディレクター
山中 俊広(インディペンデント・キュレーター)
ディレクター
山本 正大(少年企画)
事務局
茨木市文化振興課
主催
茨木市、アートを活用したまちづくり推進事業『HUB-IBARAKI ART』実行委員会
後援
(公財)茨木市文化振興財団
ごあいさつ
『HUB-IBARAKI ART PROJECT 2018-2019』は、まちなかで実施する「アートプロジェクト」として、新たなアートの体験のかたちを提案します。
今年の選定作家、冬木遼太郎が発表する作品《突然の風景(Sudden View)》を中心に、その制作過程から、発表、その後の考察・アーカイブまでの一連の流れに、計13のプログラムを6か月の間に散りばめて実施・開催します。
――― リアルタイムに鑑賞する、たった1日のみの「作品」
今年のHUB-IBARAKIのハイライトとなる冬木の作品《突然の風景》を、リアルタイムに鑑賞できる期間は、6か月間のうちたった1日しかありません。5月26日(日)の発表に向けて、多くの人々に関心を持ってお越しいただけるように、プロジェクトの周知活動、作品発表の特殊な形態についての説明、市民との対話の機会などを、茨木市内で積極的に動き、作っていきます。
近年全国の至るところで開催されているまちなかでのアートのイベントの多くは、作品展示・鑑賞に重きが置かれています。しかし今年のHUB-IBARAKIでは、作品やアートを介して作られる場や状況を大切にしていることが大きな特徴です。むしろ、数多くのプログラムを実施して、6か月間動き続けるHUB-IBARAKIの状況そのものが「作品」と言えるのかもしれません。
――― 「アート/作品」が茨木のまちに作用し続ける6か月間
今年のHUB-IBARAKIでは、作品が出来上がるプロセスを共有する機会と、茨木のまちとアートの関係を様々な視点で考察するための取り組みを、公開のプログラムとして実施します。さらに、全てのプログラムの実施レポートは公式サイトとアーカイブボードで随時公開し、その場に立ち合えない人々とも速やかに現場の動きを情報共有することに努めていきます。
アートの行為が茨木の日常にどのように関与し、影響を及ぼしていくかをその都度確認していく、「アートによる社会実験」として位置付ける6か月間です。
――― 「公共(パブリック)」を考える
冬木遼太郎が制作する《突然の風景》は、公共の場でのコミュニケーションを主題に、公共の場で発表するために計画した作品です。2011年の東日本大震災、そして昨年茨木市内も見舞われた2つの自然災害を機に、コミュニティーや他者とのコミュニケーションのあり方を見直す機運が高まりつつあります。今年のHUB-IBARAKIのプログラムも、アートプロジェクトという公共の場で実施するという前提に向き合い、改めてこのプロジェクトは誰に向けて何を伝えるべきなのかと、本来の意義や目的を再考して構成しています。
冬木とHUB-IBARAKIの双方が提示する「公共」にも、それぞれに考え方の差異があります。むしろ、各々が様々な考えを巡らせるために、一つの答えに留まらない状況を保つことが大切であり、その均衡を作ることができるのがいまのアートの力だと私たちは考えます。
『HUB-IBARAKI ART PROJECT』は、茨木市のまちづくりのためのアートの取り組みです。その前提の中で、アートとまちがよりダイナミックに相互作用を与えあう関係になり、できる限り多くの市民とその場と時間を共有し、多様な価値観を包み込むことのできる6か月間になれば幸いです。
HUB-IBARAKI ART PROJECT チーフディレクター 山中 俊広
選定作家
冬木 遼太郎[FUYUKI Ryotaro]
1984年富山県生まれ。2008年京都造形芸術大学情報デザイン学科先端アートコース卒、2010年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了後、京都と大阪を拠点に活動している。
主な個展に「PRESIDENT」(ARTZONE・京都、2013年)、「Ryotaro Fuyuki solo exhibition」(サイギャラリー・大阪、2016年)、「A NEGATIVE EVAGINATE」 (大阪府立江之子島文化芸術創造センター、2017年) 、「内的相互」(ギャラリー崇仁・京都、2019年)。
主なグループ展に「Making Sense Out of Nonsense」(京都芸術センター、2014年)、「Winter 2017 Residency Exhibition」(NARS Foundation・ニューヨーク、2018年)、「どこでもゲンビ2018」(広島市現代美術館、2018年) 。
2017年、吉野石膏美術振興財団在外研修員としてニューヨークに滞在
作家オフィシャルサイト
https://ryotarofuyuki.tumblr.com/
〇発表作品《突然の風景(Sudden View)》について
今年のHUB-IBARAKIの主軸となる冬木遼太郎の作品《突然の風景(Sudden View)》は、屋外の公共空間で短時間発表する、車と音を使ったインスタレーション作品という位置づけです。今年のHUB-IBARAKIのキーワードである「公共/パブリック」をコンセプトの中心に、公共の場での人のコミュニケーションのあり方について、作品発表の環境や動作のシステムを介して、各々が思いを巡らせる機会となることを狙いにしています。
昨年、茨木市は地震と台風、2つの自然災害に見舞われました。昨年の地震からまもなく1年を迎えるこの時期に、この作品を発表することも、作品の鑑賞体験に関わる1つの大切な要素でもあります。
メインプログラムは、茨木市中央公園北グラウンドで5月26日(日)の1日のみ実施する作品の発表と、直前のリハーサル、HUB-IBARAKIの開催期間中常時ご覧いただける大型の写真作品の展示、7月中旬に予定をしているアーカイブ映像公開の4種類のプログラムで構成します。これらは全て、《突然の風景》の制作のプロセスを辿るものであり、また《突然の風景》と地続きの「作品」とも言えるでしょう。
[制作協力]
技術制作|米子 匡司(音楽家)
編曲|横山 裕一
アーカイブ映像制作|ヤマダユウジ(映像クリエーター)
———本コンペティションの存在を知って、最初に浮かんだのは「市」という単位が個々の人たちにとってどういうものであるか、ということだった。特定の地域の中で、同じ市民として生きていくとはどういうことなのか。
まず、なぜその市を住む場として選んだのか?住みやすさ、生まれた時から親がそこに住んでいたから、仕事上の理由、なんとなく、etc。おそらく理由は様々である。そういった様々な動機でそこにいる人たちが、たまたま茨木市という単位で一緒に暮らしている。愛着がある人もいれば、ネガティブな印象を持っている人だっているだろう。
そこで自分なら何をするかを考えた時、他者と関わることが絶対的に良いことであるとか、交流自体を強要するのではなく、自分と違う考えのとなりの人を認める行為から始まるようなことがしたいと思った。
冬木 遼太郎
メインプログラム
◇ 《シンドローム》 作品展示
日時|2019年3月29日(金)~9月29日(日) 9:00-20:00 (期間中無休)
会場|ソシオ-1 茨木ビル 1階 ショーウィンドウ (永代町5-306 ソシオ1)
冬木による大型の写真作品《シンドローム(Syndrome)》の展示を、プロジェクト実施・開催期間の6か月間、阪急茨木市駅西側に隣接する商業ビル、ソシオ-1の1階ショーウィンドウで展開します。5月26日(日)に発表する《突然の風景》と対称的な「公共」へのまなざしを提示します。
◇ 《突然の風景》 公開リハーサル
日時|2019年5月11日(土) 10:00-16:00
会場|福井運動広場グラウンド (西福井3丁目30-45)
◇ 《突然の風景》 発表
日時|2019年5月26日(日) 13:00、15:00、17:00の3回実施(発表時間各10分程度、各回とも同内容を発表)
会場|茨木市中央公園 北グラウンド (駅前4丁目8)
◇ 《突然の風景》 アーカイブ映像公開
日時|2019年9月29日(日)
公開場所|HUB-IBARAKI公式サイト、Youtube
関連プログラム
□ HUB-IBARAKI ART PROJECT インフォメーション/アーカイブボード
日時|2019年3月29日(金)~9月29日(日) 9:00-20:00 (期間中無休)
会場|ソシオ-1 茨木ビル 2階 ショーウィンドウ (永代町5-306 ソシオ1)
プロジェクト実施・開催期間の6か月間、阪急茨木市駅西側に隣接する商業ビル、ソシオ-1の2階ショーウィンドウで展開します。今年のプロジェクトの概要と各プログラムの開催案内の掲示と共に、プログラム実施後のレポートを期間中更新する、リアルタイムでのアーカイブ情報も同時にご覧いただけます。
□ バトンタッチトーク 稲垣 元則×冬木 遼太郎
日時|2019年4月13日(土) 15:00-17:00
会場|サワラギヤ (駅前4丁目2-31)
ゲスト|稲垣 元則(美術家、HUB-IBARAKI ART PROJECT 2017-2018選定作家)
本プロジェクト恒例のオープニング企画として、昨年の発表作家の稲垣元則氏をお招きし、今年の発表作家の冬木と対談をおこないます。お互いの作家としての立場で、プロジェクトでの発表作品の話を起点に、昨年からの変化と今年のプロジェクトへの展望と期待を捉えていく機会とします。
□ 《突然の風景》 発表のための市内キャラバン
日時|2019年4月中旬~5月中旬 (期間中に複数回実施)
会場|茨木市内各所
5月26日(日)の《突然の風景》発表に向けて、広報・告知、プロジェクト全体や作品内容に関する説明、意見交換を、様々な層の市民を対象に、市内各所に出向いて実施するプログラムです(一部非公開)。
作品サンプルの試聴、回覧板、近隣住民への招待状配布、特定の市民との対談など、多様な手法での市民との交流を通じて、今年のプロジェクト全体と《突然の風景》発表への市民の理解を草の根的に深め、協力者を募ることを狙いとします。
[note]冬木 遼太郎 「茨木市のみなさんへ/突然の風景」 https://note.com/hubibaraki/n/n5af48e14676b
□ 冬木 遼太郎 特別授業
日時|2019年4月22日(月)
会場|大阪府立茨木高等学校
初めての官学連携の試みとして、冬木による特別授業を市内の学校にて実施する予定です(非公開)。近年のアートの表現の動向と共に、発表作品《突然の風景》を説明するための授業内容とし、公開発表について若い人たちと意見交換をおこないます。また、今後の教育機関とHUB-IBARAKIとの関係強化にもつなげていくことを目指します。
□ ワークショップ「“親子スイッチ”をつくろう」
日時|2019年6月29日(土) 10:00-12:00
会場|リノベのいばらきDIY工房 (元町3-39)
講師|冬木 遼太郎
参加対象者|小学3~6年生の児童と保護者
定員|7組(先着順)
参加費|無料
参加申込|茨木市市民文化部文化振興課『HUB-IBARAKI ART』実行委員会
今年の選定作家冬木遼太郎によるワークショップを実施します。
このワークショップは、普段の親子間のコミュニケーションについて考えることをテーマに、冬木さんのナビゲートによる対話と簡単な電子工作の作業を経て、文字通り親子で“親子スイッチ”を制作する約2時間のプログラムです。
完成したスイッチは、自宅に持ち帰ってこれからの親子のコミュニケーションの場でぜひ活用してください。
□ 茨木まち歩きアートツアー
日時|2019年7月20日(土) 10:00-12:00
参加定員|20名(先着順)
参加費|無料(阪急南茨木駅→茨木市駅の運賃は各自負担)
ルート概要|阪急南茨木駅[東口ロータリー・サンチャイルド前集合]→阪急茨木市駅→ローズWAM→元茨木川緑地→茨木市立天文観覧室プラネタリウム→クリエイトセンター→本町センター「real SOU #3」[解散場所]
ナビゲーター|山中 俊広(HUB-IBARAKIチーフディレクター)、山本 正大(HUB-IBARAKIディレクター)
茨木市内の公共空間に点在するアート作品を巡るまち歩きツアーを実施します。これまでのHUB-IBARAKIでの発表作品から、20世紀に制作・設置された作品まで、ツアー内で約20点の作品を紹介します。茨木市の芸術に関する活動の変遷をたどりながら、公共における作品設置についても考える機会になればと思います。
□ 《突然の風景》アーカイブ映像上映会&トーク
日時|2019年7月20日(土)14:00-15:00(時間を延長する場合があります)
会場|茨木市男女共生センターローズWAM 地下1階ローズホール(元町4-7)
トーク登壇者|冬木 遼太郎(HUB-IBARAKI選定作家)、前田 裕哉(批評家)、ヤマダユウジ(映像クリエイター)
5月26日(日)に発表した冬木遼太郎作品《突然の風景》のアーカイブ映像をスクリーンで鑑賞し、《突然の風景》に込められたコンセプトやメッセージ、アーカイブ映像の制作プロセスを中心にトークセッションをおこないます。改めて《突然の風景》発表当日の体験を振り返りながら、作品の解釈をみなさまとご一緒に深める機会にしていただければと思います。
□ 茨木芸術座談会2019
日時|2019年8月24日(土) 17:00-19:30
会場|茨木市役所南館8階 市民ふれあいサロン (駅前3丁目8-13)
昨年のHUB-IBARAKIで初めて実施した、茨木市内で芸術文化活動に関わっている方々との対話・交流を目的とした座談会を、今年も実施します。
5月26日に発表した冬木遼太郎さんの作品《突然の風景》は、まちの中心部で車のクラクション音を使って音楽を奏でる形式で、公共の場での人のコミュニケーションのあり方について、各々が思いを巡らせる機会になりました。
また今年も全国各地で多くのアートプロジェクトが開催されていますが、その中には大きなニュースになっているものもあります。
参加者同士が芸術・文化について広く対話をおこない、多様な価値観や考え方を共有する機会になればと思います。
市内市外、関連活動従事の有無に関わらず、関心のある方はどなたでもご参加いただけます。
□ クロージングトーク「HUB-IBARAKIと地域型アートプロジェクトのその先に」
日時|2019年9月29日(日) 15:00-17:00
会場|茨木市男女共生センターローズWAM 5階研修室(元町4-7)
登壇者|雨森 信(Breaker Projectディレクター)、冬木 遼太郎(HUB-IBARAKI選定作家)、山中 俊広(HUB-IBARAKIチーフディレクター)
今年のHUB-IBARAKIは3月末からスタートし、5月26日の冬木遼太郎の作品《突然の風景》の発表をプロジェクトの軸に、これまで11のプログラムを順次実施してきました。作品の発表形式からプロジェクト全体の実施形態まで、今年のHUB-IBARAKIは新たな試みを多数実践しました。
クロージングトークでは、今年の作家公募の審査員であり、ご自身も大阪市西成区を舞台とした「Breaker Project」のディレクターとして長年アートプロジェクトの運営に関わっている雨森信氏をお招きして、この半年間のプロジェクトの動きを振り返ります。
今年のプロジェクトの成果と課題、そして今後に向けたアートプロジェクトとしてのHUB-IBARAKIのあり方、アートを介したまちとの向き合い方など、これからのHUB-IBARAKI、アート、茨木市について考える機会になればと思います。
作家選考について
◇ 作家公募概要
公募期間|2018年11月9日(金)~12月17日(月)
【応募資格】
・国内でアートの創作活動をしていること(個人/グループ、ジャンル、年齢不問)
【作品規格】
・素材、形態は問いませんが、設置場所での長期展示に耐えること
・展示する施設の用途、機能を理解し、それらを損なわないこと
・展示終了後、施設の原状復帰が可能であること(恒久設置が可能な場合は要相談)
・電気の使用は要相談
【審査基準】
①提案した作品構想を確実に遂行できる、実績とスキルがあるか
②提案した作品構想に、現代の表現として独創性があるか
③実行可能な方法・計画で立案されているか
④提案した作品および、制作過程やイベント等で、「まち」や「市民」との交流の可能性を感じられるか
※公共の場での展示となるため、政治的 / 宗教的 / 性的 / 暴力的 / 営利的等の表現、法令、公序良俗に反する画像、文字等を使用した制作プランについては、審査の対象外となる場合があります。
【募集人数】 1名(グループでの応募も可)
【制作補助費】 80万円
◇ 審査について
審査会|2018年12月25日(火)
【作家公募 審査員】
木村 光佑(版画・彫刻家、京都工芸繊維大学名誉教授・元学長、茨木美術協会会長)
雨森 信(Breaker Projectディレクター、大阪市立大学都市研究プラザ特別研究員)
平田 剛志(美術批評)
山中 俊広(HUB-IBARAKI ART PROJECTチーフディレクター、インディペンデント・キュレーター)
—–
審査会 経過と講評
今年のHUB-IBARAKIの作家公募は、昨年と一昨年の推薦制による公募から一般公募に切り替え、12名の応募が集まりました。約半数が関西圏以外から、世代も20代から70代まで、幅広い方々から応募をいただきました。
2018年12月25日に、茨木市役所にて4名の審査員による審査会を実施しました。作家選考は、提出された資料を基に、完全合議制で応募者を段階的に絞っていく方法で進めました。
まずは、提出された全ての応募資料(作品構想、過去の活動実績)を踏まえて、作品構想の実現可能性、独創性、市民・一般の人々との交流度などを判断基準に、応募者を約半数に絞りました。その後、表現傾向が類似している作家・作品構想の比較や、茨木で実施することの必然性などを考慮しながら2名に絞り、最終の選考は満場一致で冬木遼太郎氏を選定しました。
冬木氏が提出した作品構想では複数の作品が提示され、HUB-IBARAKIの参加への意気込みと、会場に関わらず柔軟性のある作品制作が見込まれる点が、長期間のプロジェクトに適しているとの判断がなされました。さらに、「公共性」のキーワードで茨木を表現するという発想にも高い評価がありました。市民・一般の人々との交流の機会を、共同制作やワークショップ形式で直接的に作り出す手法が他の応募者に目立った中で、交流そのものの概念を作品を通じて客観的に考えるという冬木氏のスタンスに、審査員から共感の声が多く上がりました。一方で、作品構想の実現性に関して、公共の場での発表という点で随所に想定されるハードルの指摘がありましたが、それらを乗り越えていくアートプロジェクトとしての意義が見えること、実現可能になればこれまでと違ったHUB-IBARAKIのカラーが生まれる可能性を有しているという意見もありました。
近年、まちなかでのアートのイベントが増えていることもあり、同様な場での作品発表を経験している作家が応募者の大半を占めました。一方で、先述の直接的な参加交流型の作品構想や、他所で発表実績のある内容と大きく違いのない作品構想を提出していた作家も目立ち、それに該当する作家は早い段階で選考から外れました。HUB-IBARAKIは一人の作家で展開するプロジェクトであることから、茨木のまちやHUB-IBARAKIの個性を共に考察して作っていこうとする意識の強い提案が求められるべきだと、今回の公募と審査を通じて再認識した機会になりました。
HUB-IBARAKI ART PROJECTとして初めての一般公募という状況もあり、公募段階で応募者に当方の選考意図が伝わりにくい点が随所にありました。今回の公募と審査、そしてこれからのプロジェクトでの活動を踏まえて、次回以降の公募では当方の活動のスタンスをしっかりと整理して発信することに努めていきたいと思います。
HUB-IBARAKI ART PROJECT
チーフディレクター 山中 俊広
2019 NEWS ARCHIVE
9/29(日)「クロージングトーク」のご案内
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